「お前さ…髪切ったの、理由あるだろ。ちゃんとした理由」
ドキ
なんか、今日鋭くない???
真剣なまなざしにあたしは後ずさり。
目が泳ぐのを自分で抑制できなかった。
「ないってば。気分、なの」
「…………。」
あたしを見据えた楠の目は、少なくともあたしを疑ってる目だ。
それでもなお、違うって言い続けたいあたしは一体どうしちゃったんだろう。
「ほんとだよ?ね」
「そろそろほんとの事言っとけよ…」
え?
困ったように笑う楠にあたしはいつしか口を割ってた。
言わなきゃよかった。バカだね。
「―――――というわけです…」
「髪だけじゃないのか……手…」
「わっ」
あたしの絆創膏だらけの手を取った楠。
「…ごめんな。気付けねぇとか情けないわ、俺…」
「なんで謝るわけ?意味わかんな「半分俺のせいだし…」
は?
「雛乃は俺の…………」