男の人家に泊めるなんて、初めてだし…




妙なこと思い出すな。




『―――そんな約束してたっけ』





ズキ…




わ、忘れろ!自分ッ。





「サンキューッ♫…ん。お礼のチュー♫」





「ぎっ、ぎゃぁッ!!!///」





ヴァチーン!




高く鈍い音が廊下に鳴り響いた。



「いってぇぇ!!!平手打ちかよ!」





「アンタが悪いんでしょーが!家でそーゆーことしたら追い出すからねッ」





「へーい」





ふてくされたように、でもそっと笑った。





なんかさ、こうゆう時間も楽しい。





最初は、キス奪われて最低なやつとか思ってたけど…




アイツの表情一つ一つ知る度に何か変わる胸の内。





「手、繋ぐ?」





「つっ、繋がないし」





「残念…」





そういいながらケラケラと笑う楠。