会話の噛みあわないアイツとの彼氏彼女関係1週間が過ぎた。
舞台練習も板につき、あたしたちは明日に迫る文化祭の最終チェックに入った。
それから……
「痛…………」
指先の痛みを感じたあたしは、慣れた手つきで救急セットをバッグから取り出す。
髪を切られてからというものの、日に日に悪化してる。
今は、教科書にカッタ―の刃。…しかも2本。
なんちゅー悪質な。
犯人探しもおっつかないまま文化祭を迎えることになりそう。
「…愛梨…ちょっとアンタ酷くなってない?」
「うん…」
心配そうな顔つきであたしの手に大きな絆創膏を貼ってくれる結衣。
「先生に相談…「しないよ。こんなので負けてらんないし。理由はなんとなくわかってきたし」
たとえ生傷が絶えなくても、ね。
手はボロボロ。足も切り傷、痣。ほんと、どこのガキだってーの。