伸ばし続けてきた自慢の髪を2日前切った。
ロングからショートボブ…
「通りすがりに髪切られるとか、絶対なんかの陰謀だって…気を付けなよ?」
コクリと頷いて2日前を思い出してみる。
あの時みたいに資料を図書室に運んでる時だったかな。
廊下に生徒はいっぱいいたから、誰までかは分からなかったけど…
―――『結構重たいな…コレ』
ジャキ。
………え…――――?
資料を持ち直すのに腰を落とした時だった。
後ろ髪がほんの少し軽くなった。それになぜかスースーする。
おそるおそる右手で後ろを触ってみる。
「な、ないっ?!!!」
振り返ったあたしの足元には、束になった髪。
明らかにあたしの髪。