「やっぱり、俺と付き合う気になった?」
「なっ、ならな…「~~猛ーッ♪」
あたしの目の前を黒い影が通った。再び瞬きすると、楠に一人の女の子が絡みついていた。
あ…同じクラスの…
「南さん…」
「あっ、矢澤ちゃん!…だよね?」
コクリとうなずくだけのあたしは、南 雛乃(ミナミ ヒナノ)ちゃんに見とれていた。
女の子でも可愛いと思う、綺麗な栗色の髪、通った鼻筋。パチクリした二重の目。
長いまつげ。小さくて…まさに、‘女の子’の代表な感じ。
結衣とはジャンルが違う…かも。
「雛乃…学校では、こーゆーことするなって何回言ったら分かんだよ…」
楠の言う、こーゆーことっていうのは…抱きついちゃうこと、かな。
取り巻きとは違う、妙な親密感。
「だってー、猛大好きだもーん♪」
「…はぁ」
正反対な反応の2人。
ど、どーゆー関係?