「えっと、その、あの子にちゃんと有難うって言えたから・・・。アンタが言ってくれなかったら俺、気付かなかったと思う。」 折った腰はそのまま、顔だけ上げて私を見た貴方は酷く困った様な、怒った様な、不貞腐れた様な顔をしていた。 顔も耳も、首まで朱色に染まっていましたけど。 あぁ、あの女の子の事ですか。 わざわざ私の言葉を真に受けてくれていたんですか?