ささやかな未来を私に望んでいる父親には、正直、申し訳ない。

 でも、その当たり前でささやかな願いが私には無理難題だと言う事も父親である彼には痛いほど分かっている筈なんですけどねぇ。

 それでも、こんな私に甘い父親は尊敬に値する人物には間違いなくて、親の愛に感心する私。

 これぞ無償の愛。

 私には理解できない感情。

 否、素敵ですよ。

 私にとっては有り難い存在です。

 偶に疎ましくなりますが、私が父親の庇護で生きているのは確かです。

 すぐに新しいバイトの求人を出す父親に、口先だけのお礼など言いつつ汐らしく頭を下げたのが三日前。