繁華街の外れ、煌びやかなネオンが僅かに届くだけの住宅街の端。

 そこに私の店はあった。

 純和風の古民家を改装して作った店舗は、入り口の扉を人の出入りを拒むような重厚な一枚板で構え内装も落ち着いた飴色の一枚板のカウンターのみ。

 回転率命のバーにも関わらず一度座ったら立ち上がりたくなくなるような滑皮素材で出来た一人掛けのソファーは六つ。

 床から膝までの高さの障子は足元を照らす為の間接照明として壁を飾っている。

 基が純和風の古民家だけあって柔らかい土壁と梁の覗く低い天井は、小物にオリエンタルな家具や食器を使おうが程良く調和させてしまう。