貴方の横に体を滑り込ませても、まるで起きる気配がない。

 こんなに無防備でいちゃ危険ですよ?

 ここが海賊の住処だという事を忘れたんですか?

 薄く開いた口から規則正しい寝息を零す貴方の幼さの残る表情に、私は小さく、おやすみ、と微笑んで瞼を閉じた。

 明日の朝、目覚めた貴方の反応が楽しみです。

 本当は、朝まで貴方の寝顔を見つめていたいんですけれど、私の体は激しく睡眠を必要としていて敵いそうにない。

 せめて、貴方よりも早く起きて、貴方が目覚めるのを横で待ちましょう。

 起き抜けに海賊とベッドを共有した現実に突き当たる貴方の、驚き狼狽える顔が楽しみですねぇ。

 きっと、真っ赤な顔で私に悪態を吐いてくれるんでしょう。