途中、何度か貴方の様子を伺いに寝室に足を運びました。

 自分の家なのに足音を立てないように忍び込む私は、まるで泥棒。

 もしくは覗き魔。

 うん、後者の方が正しい気がします。

 どちらも犯罪ですね。

 その度に貴方の寝顔を見て安心する姿なんて、絶対に誰にも見られたくはありませんよ。

 貴方にも見せられません。

 汗を掻く貴方を見てミネラルウォーターの入ったグラスを置き、次に忍び込んだ時グラスの水が減って貴方の寝顔が穏やかになっているのを見て微笑む。

 冗談抜きに安心しました。

 ここ何年も感じた事のない安堵感で、らしくもなく目頭が熱くなる自分が恥ずかしくて仕方ない。

 年齢と共に涙腺が壊れていく、と言うのは本当らしい。