お昼ごろ、いつものようにあたしはお花を摘みに行くため、村を出た後、森の中を歩いていた。
ここまではいつも通りだったんだけど…
「ねえキミ」
「え?」
どこからか男の子の声がした。
キョロキョロと辺りを見渡すけど誰もいない。
「こっちこっち」
上のほうから声がして、見上げてみると木の上に茶色の長い髪と金色の目をした一人の男の子が座っていた。
とても整った顔立ちであたしは思わず見惚れてしまった。
ただ一つ不思議なのが彼の頭には獣のような耳が生えていた。
「どこにいくの?」
「あ、えっと…これからお花を摘みにいくの」
すると彼はふーん…と考えたあと彼は木から身軽に飛び降り、あたしの前にストンと着地した。
「オレも行っていい?」