お話はよくむかしむかし――って始まる。 この物語もそうやって始めてみよう。 むかしむかし、あるところに「赤ずきん」と言う少女がいました。 「赤ずきん」とは名前ではなく、彼女がいつも赤い帽子をかぶっていることから、そう呼ばれるようになった。 彼女は金色に輝く髪に宝石のようなブルーの瞳。 そして、なによりも素直で思いやりのある心が周りの人から愛されていた。