「あたしは平気。...でも、椎をバカにするのは許せな――――」 「ねぇ」 まだ言いかけているのに、遮られた。 男子の声。 「もーっ、なつ...め...?」 怒鳴ろうとして、声がする方向を見る。 しかし、そこにいるのは夏目じゃない。 思いがけない人だったから、思わず掴んでいた手を離す。 「ったーっ!」 ドサッと落ちるギャル。 でもあたしが恐いのか、彼が恐いのか文句を言わない。