迎えの車の中に乗り込んでからも、椎は何も詮索しなかった。 いつも通りにウォークマンを聞いているから。 安心したような、寂しいような。 よくわからない感情。 それでも、こんな小さなこと気にしてなんかいられない。 かぶりをふって、窓の外の景色を眺める。 その間椎があたしを見つめていたなんて知らずに。