「あれ? 歩、その汚れ...」



やっぱり気付かれた...。



椎が指指すのは、あたしのローファー。



「あぁ、これ? 今朝、うっかりぬかるみを歩いちゃってさぁ...。もう最悪~」




泥が付いて、傷もハッキリとわかる。




もちろん、あたしはぬかるみを歩いてなんかない。



傷ひとつ付けないように、気をつけてるんだから。




勝手なあたしの推測だけど、犯人はさっきの女の子たちかな。




「ふーん...」



納得していないようにあたしを見る。




なぜかわからないけど、これは伝えるべきじゃない。



そう直感した。