雰囲気台無しじゃないか!




心の中で悪態をつく。




「ありませんけど。椎を守るのに精一杯で、暇なんかなかったの」




ツーンと可愛げなく返す。




でも、椎の頬は緩んでいる。




「すっごく嬉しいんだけど...」




照れて赤くなった頬を隠すように、手で覆う。




それにまたときめくあたし。




「椎は、その...どうなの?」




最後は言いたくなくて、省いた。





キスだって上手で、子どもなあたしとは違う。





「えー、それ聞くー?」




困ったように笑う。




「聞く!!」