「そんな大人なこと言えないデス」




甘えた子どもみたい。




どんなにスーツでカッコよく決めても




高校を卒業して、大人に近づいても




椎は変わらないの。




思わず笑ってしまう。




「なんで笑うんだよー」




拗ねた目であたしを見つめる。




「だって、椎がそのカッコと合ってないから...ぶはっ」




言いかけた途中で、吹き出してしまうあたし。




「『ぶはっ』なんて、今どき色気ねーなぁ」




呆れてあたしの頬を引っ張る。