「上杉[ウエスギ]さん、何で遅れたんですか?」 隣で、煙草を噴かしている彼に問う。 仕事が終わるといつもこの状態だから。 「何か、メール届いてさァ...」 「メール?」 「ん。これこれ」 携帯画面を覗く。 〔待ち合わせ時間の変更...〕 「ふーん。でも、何で怪しまなかったの?」 上杉さんは、あたしよりも何歳も上のベテランさん。 簡単に信用しなさそうなのに。