本当の運転手さんのことが気になった。 でも、それよりも優先すべきは椎のこと。 少しだけ動いた瞬間、冷たいものが体に触れた。 「動くなよ?」 また別のニヤニヤしたような男の声。 背中に触れたものを、見ることはできないけど見当はつく。 銃。 「どこでそんな物騒なもの、手に入れたの?」 平然を装って、横目で見ながら呟く。 「無駄口を叩かないで欲しいね」 背後で不気味に笑う男。 気持ち悪い。