すると、彼は目を細めたまま口を開いた。




「やだなぁ。何を言うんですか? 歩さん」




その言葉で、確信した。




「あのねぇ、運転手さんは支部の人なの。だから、あたしのことを"さん"付けで呼ばないから」




強気の姿勢は変えない。




変えたら、負けそうだから。




彼は、フッと零すとにたりと笑った。




こいつ...危険だ。





あたしの中で、危険信号が鳴る。