思わず、夏目の隣を離れて彼に駆け寄った。 どのくらい待っていたんだろう。 鼻の先が赤くなっていた。 ブラウンの髪の毛はまたもやハネていた。 「赤鼻のトナカイじゃん」 手を伸ばして、彼の鼻をつまむ。 「なっ、トナカイって!」 少しだけ怒ったような口調。 でも、鼻をつまんでいるから恐くない。