出口に近づく程、あたしの心の中は暖かくなる。 言葉では言い表せない。 あっ......。 暇そうに目線で何かを探している彼。 その視線が、一直線にあたしを捕らえた。 「歩っ」 愛おしいくらいの、聞き慣れた落ち着く声。 心臓がきゅうっと苦しくなる。 大好きな笑顔。 それが、今はあたしに向けられている。