でも、じっと眺めていても何も変わらない。 それは、あたしが一番知っている。 あたしを呼ぶ夏目の声が聞こえて、追いかけた。 「何かあった?」 不思議そうに聞く彼。 「ううん。何もないよ」 静かに笑って、前を見た。 過去は過去。 どんなに思い返したって、変わらないモノ。 それは悔しいけど、そのおかげで吹っ切れる。