「毎朝早朝勤務で悪いな。」

私はこげ茶のエプロンをつけてグラスを磨く。

「いえ、仕事いただけるだけでありがたいです。本当に助かります。速水さん。」

「堅いよ、高山。歳も近いし、もう7年の付き合いなんだからさ。もっとこう、何て言うかさ、親しげに話そうぜ?」

速水さんがそう言って苦笑する。