「・・・それじゃあ、そろそろ帰ります。」

私はカウンターから立ち上がる。

「送るよ。もう23時回ってる。」

「大丈夫です。」





速水さんは優しく手を引いて、家まで送ってくれた。

人の手の温かさに慣れた、12月2日のことだった。