兄貴の目は、笑ってなかった。
背筋が凍るとはこのことだ。

時刻は深夜1時。
由梨乃も両親ももちろん眠っていた。

「・・・知りたいんだろ?幸のこと」

俺を掴んでる腕が、ぞっとするほど冷たい。

「聞きたいことは、本人に聞く。」