”やぁ、幸ちゃん”

”こんにちは、すがわらさん”


小さい時、お父さんに連れられて行ったカフェ。
菅原さんというおじさん。

甘いココアを喉に通す。

カウンターの奥の扉から覗く瞳。

”ほら、お前もこっちに来な。・・・まったく、内気で困ったな。”

一回。
たった一回行っただけのカフェ。

私を見つめる瞳を見ながら、私はココアを飲み干した。