「・・・俺は、なにも見てないですから。」

優斗くんはそう言って、私の手を握り少し前を歩きはじめる。

私は、ストッパーが外れたかのように泣いた。



優斗くんの手は温かくて
私はひたすら泣いてて
この世界はまだ夜で

そんな小さな二人を、一体誰が見てるんだろう。