「リクの妹?それともお姉さん?」

「違うよ。兄弟は兄貴しかいない」

だったら誰だろう。

「ひょっとして……」

もしかすると、決められた結婚相手の子供の頃の写真とか……?


「ひょっとして。何?」


あたしの答えを待っているリクと写真を交互に見る。


決められた女性がいるからリクは誰も好きにはならないとか?

まさか……ね。


「わ、かんないよ」


降参とばかりに持っていた写真を返すとリクは寂しそうに笑った。


「この写真に写ってる女の子って……俺……なんだよね」

「え?」

聞き間違いかもとリクを見たけれど、やっぱり寂しそうに笑っている。


「この頃自分は女の子なんだって思ってたんだ」


そしてリクは幼かった頃のことを話し始めた。