目を覚ますと座ったままの体制で肩に毛布がかかってある。

リクがかけてくれたのかな。とフッと隣を見ると……

あたしの肩に凭れ眠っているリクの顔がアップで映る。

わっ。

この角度からのリクの寝顔って……

すうすうと規則正しい寝息が聞こえるのを確認するとあたしは自分の携帯電話を探した。

こんな可愛い寝顔、写真に収めなきゃ勿体ないでしょ~

少し離れた机の下に転がっているケータイを見つけると足を伸ばして自分の方に引き寄せる。

変な体制で足を伸ばしたものだから、足が硬直してしまった。

「ツウ……足、攣っちゃったよ」

「ん……?リツ起きたの……」

肩が軽くなってリクが離れるとあたしは「ああ……」と落胆した。

ちぇっ。

写真に残したかったな……

そしたら夜な夜な観覧してニタつくのに。

朝から変態丸出しである。


「今日ね、また買い物に付き合ってほしいんだけど」

かけてくれていた毛布をたたんでいるときにリクがそう言う。

「買い物って。昨日のじゃ足りないの?」

いくらなんでも、あたしそんな大食漢じゃないよ~

反論しようと頬を膨らますとリクは「食材じゃないよ」と慌てて否定した。

「ベッドをね、買い換えようかと思って……」

「ああ……そっか」

いつまでもリビングで寝るってわけにはいかないよね。

でも、丸ごと買い替えなくてもいいのに、と思ったけど、リクが嫌なら仕方ない。


どうせ暇だからいいよと一度隣に帰りシャワーを浴びたり着替えをしたりと支度をしてからまたリクの部屋に戻った。

拓にぃは仕事に出かけたらしく、この前みたいにテーブルの上に伝言を残していた。


一言。

『カギくれ』

…………。


やるかっ!!




拓にぃにあたしんちを乗っ取られそう……