紘哉は突き放すような態度をとる。
そんなことはお構いもなしに霞は話し続けた。

「帰ってもいいッスか?嫌いなんスよね、ケバい女の人」

「奇遇だな。俺も帰りたい」

こんな事を山田が聞いたら怒るだろう。
しかし今は監視の目がない。
霞は言いたい放題捜査について文句を言っていた。

目の前の信号が青に変わる。
様々な人が横断歩道を行き来している。

ぼーっと信号を眺めていた紘哉だったが、隣から話し声が聞こえてきてハッとなった。