「山田さん、一つお聞きしたいのですが……」

「何かね?」

「ここの鍵の所有者はあなただけですよね?密室って言い張るほどなので」

「いや、違うぞ」

けろっとした顔で答える山田。
その反応に思わず紘哉は拍子抜けしてしまった。

「私以外に五人の男が鍵を持っておる。彼らは真面目だからのぉ」

「……」