羽兎は首を縦に振った。
途端に紘哉が顔をしかめる。

「お前何でさっき、口に激痛が走ること言わなかったんだよ」

「忘れてただけ」

本人は反省する気が無いのかただそっけなく言った。

「で、犯人は誰なのじゃ?」

山田が恐る恐る聞く。
霞は首を横に振った。

「犯人は――」

「分かりませんよ。今の時点では」

今度は紘哉が霞の言葉を取る。
霞はムスっとした顔をした。