「分かりました。だったらさっさと現場を見せてください」

「そう慌てるな、若者よ。
この景色を眺めんでどうする。地上50階からの素敵な眺めを!」

そう言って男性は両手を広げ、自分の背中にある大きな窓を表した。

地上50階と言われれば相当高さだ。
周りに見えるのは山とビルばかりだが、見ていて気持ちが晴れ晴れする。

男は額にじんわり汗を滲ませ、手を握りしめた。