「威張って言うことじゃない!お前は人の話を聞け!」

「はい……できれば」

そう言いながら恵一は、チラチラと紘哉の顔を見てきた。
どうやら助けを求めてるらしい。

紘哉は小さくため息をつくと、二人の仲に割って入った。

「すいません、少し失礼します」

「あ、あぁ」

いきなりの事で、長斗は驚いた顔をする。
紘哉は恵一のコートを掴み、近くの壁に叩き付けた。