「すいません。泣き上戸なんです」

「泣いてなんかないし。いじけてないし」

「だったらすがり付くのやめろよ。俺にそんな趣味はない」

「俺だって同じだ!カワイイ女のコの方がいい!!」

酔ってわけの分からない事を言っている。
恵一の頭をひっぱたく紘哉を見て、美月は更に笑い出した。

黒蜜会の事は、既に紘哉の頭から飛んでいた。

正確に言えば、気にしないようにしていた。