紘哉は羽兎を横目で見ると、定侍に視線を戻した。

「定侍さん、趣味は何ですか?」

「趣味?バスケとか、昆虫標本とか……あ」

趣味を暴露した瞬間、定侍の顔が歪んだ。
それに対して紘哉は不敵に微笑んだ。

「墓穴掘りましたね?」

「ん?どういう事?」

羽兎が不思議そうに首をかしげる。

「青酸カリって昆虫標本にも使われるんだよ。
標本の色が抜けにくくなるから」