定侍が笑顔で尋ねる。
しかし、目は笑っていない。

「定侍さん、アナタは被害者の病気を知っていましたか?」

「あぁ、知ってるよ。喘息でしょ?」

「では、アスピリン喘息と言うことは?」

「もちろん知ってる」

「そこなんですよ」

紘哉は自分の記憶を辿る。
斗南の証言が正しければ、薬の管理は全て定侍がやっていたはずだ。