「……穴だ」

「え?」

ボソッと呟く紘哉に羽兎が反応した。
彼女の持つボイスレコーダーから、小さく声が漏れている。

「『何となく』で、人を告発してはいけない。
ちゃんと証拠や謎を解いてから言うものだ」

「と言うことは……」

「シャラオの推理は間違っている。俺はそう思う」

紘哉の目付きが一層鋭くなった。
反論するなら今しかない。