すると、羽兎が紘哉のスーツの裾を引っ張った。

「ねぇ、紘哉さん。前みたいに録音してないの?」

「……してある」

「貸してくんない?」

紘哉はポケットからボイスレコーダーを取り出し、羽兎に渡す。
彼女はレコーダーを耳にくっつけ、内容を聞き始めた。

その間も霞は推理を続ける。

「アスピリンは偏頭痛薬に入ってたやつッスよ。
あんまりにも頭痛が酷かったんで、薬を使った。それだけッス」