「ヒビの深さから見て、大した衝撃は与えられてないだろう」

「と言うと?」

「このソファに大人数で座っていない」

「なるほどー」

羽兎は納得したように手を叩いた。

「紘哉さん、アロマオイルとか趣味?」

「まぁ、一応。事務所にもあるだろ」

「そっかぁ」

アロマの瓶を凝視する紘哉。
紘哉の事を知れば知るほど、分からなくなっていく羽兎であった。