「あぁ。そうだな」

「何かさアーモンドっぽい」

言われてみれば、そんな気もしなくない。
紘哉は眉をひそめた。

「何でソファの下にあったんだろうね」

「……知るか」

「しかもさ、ビンが無事なんだよ?不思議で仕方ないよ」

「無事ではないな。若干ヒビが入ってる」

紘哉はビンを羽兎の目の前で振った。
幸い、中身が漏れる程の深いヒビではない。