「アスピリンか……」 何か事件に関係しているのか。 しかし、文系の紘哉に分かるはずが無かった。 『――あと、何故か知らないけど風邪薬が使えないらしいッス』 ふと、霞が言っていた言葉が頭をよぎった。 風邪薬を使えない被害者が風邪薬を使っている。 そして、殺された。 一概にも事件と無関係とは言い難い。 「……聞いてみるか」 紘哉はボソッと呟くと、毛布を頭からかぶって寝てしまった。