一通りの仕事が終わり、皆は控室に戻ってきた。

「……」

羽兎は未だに机に伏せて寝ていた。
定侍が置いていったのか、背中に黄色の背広が掛かっている。

紘哉は無言で羽兎の座っている椅子を蹴った。
ガコンと椅子が鳴り、羽兎がゆっくりと顔を上げた。

「……え?誰?」

「俺だ。何で帰らなかった?」

「げっ……!」