「何ぃっ!?」

山田はガバッと紘哉の方を振り返った。
しかし彼はそのまま山田の横を通り抜け、死体へと近付いた。

「スルーはないよなぁ……」

小さく呟く声が背中から聞こえてくる。
紘哉はそれを無視し、死体を観察した。

接客用のソファでぐったりしている被害者。
当たり前だが、息はしていない。

「外傷は……首か」