「上田ってさ、家こっち?」

「あー、うん。玲くんは?」

「俺もこっちだし」

体育館掃除をあたしが
すべてしてくれたからと言って
玲は暗いし家まで送るよ
と言ってくれたわけで
ゆいのこともちょっと協力しちゃおう
と思ってる今。

「ゆいってかわいいよね」

あたしは唐突に言ってみた

玲は無言。

あれ・・・?
「しかとですかー・・・」

玲を見ると
街灯に照らされた顔は
心なしかほてっていた。

え・・・?
これってまさか・・・・
「玲・・・ゆいのことすき?」

―・・・ズキン
何でかあたしの胸が痛んだ

「・・・うん」

玲の言葉に嬉しさと何かが
あたしの胸の中を満たしていた。

「そっかー!あたし協力するから!」

何でかわからないけど
泣きそうになった。

まだ話したばかりなのに
こんな気持ちおかしい・・・
まるであたしも玲を好きみたいじゃん。

・・・あ。

そのときにあたしは
これが恋ってやつか、と思った

だけど
2人を邪魔することはできるわけもなく
隣にいる玲の嬉しそうな顔を見ると
あたしは好きになっちゃ
いけない人だって思った。