気が付くともう校門の近くまで来ていて、この繋がれた手をどーしようか考えた。


いきなり離すのも誠を不安にさせちゃうだろうし、でもこのまま学校に入って行く勇気もないし。

どーしたものか。

「誠、あの……」

そう言って、視線を繋がれた手に向けた。

「あ、ごめん。俺暑くて汗がヤバイな」

誠はあたしの手を離し、ズボンで手を拭いた。

でも、それからまた手が繋がれる事はなかった。


「誠、ごめんね。嫌だとかそーゆうんじゃなくて……」

あたしは周りの視線や、叶チャンの事が気になって、手を繋げない自分が嫌になった。

きっと誠を傷つけてるよね。

「んー、何の事?つかやっぱ徹夜明けは眠いわぁ」

誠はそう言ってあくびをした。


何でこんなに優しいんだろう。

いつだって誠は優しい。

思えば、初めて話した時から、いつも気に掛けていてくれていた。