叶チャンはカッコイイ。
昔からいつも傍に居たあたしでさえ、そう思う。
もう雰囲気からして違うって言うか、そこだけオーラが違うって言うか。
それも惚れた欲目かな?
でも、紛れも無くモテる。
昔は、いつも二人で遊んで、いつも二人で登校して、いつも二人で帰ってた。
一番近い存在だと思ってたのにな……。
もう、手の届かない存在だって、遠い人なんだって、憧れだと思って諦めるしかないんだって痛感する。
「はぁ……」
「どーした?」
誠が心配そうに、顔を覗き込んでくる。
「あ、ううん!何でもないよ、何でもない!」
いけないいけない!
彼氏と手繋ぎながら歩いてるのに、違う男の人の事で落ち込むなんて失礼だよね!
誠ごめんね。
「そか」
誠は柔らかく微笑んでくれた。
でも、不安そうに眉が歪んでいたのは、見間違いなんかじゃなかったよね……。