次の日、教室に入ると誰も来ていなくて、誰よりも早く登校した事を少し誇らしく思った。
でもよく見渡したら、鞄が掛かっている席が一つだけあった。
教室のドアが開くと、その鞄の持ち主が立っていて。
あたしは泣きながら結夢の名前を呼んでいた。
何回もゴメンねって謝るあたしに、結夢も涙ぐみながらゴメンねって言った。
誠に告られた事を相談したら
「やっぱりね」
て、笑われた。
どーやら結夢は、誠の気持ちに気付いていたらしかった。
朝礼の時間が近づき、続々とみんなは登校してきた。
その中に、最近めっきり遅刻しなくなった誠を見つけ、あたしは顔を赤くした。
そんなあたしに結夢は
「自分の気持ちに素直になりなよ」
て言った。
――素直に……
あたしはやっぱり叶チャンが好きで、他の誰かを好きになる事なんて想像できないけど……
誠の事を気にしている自分もいた。