先生に皆が帰った事の報告を終え、昨日の約束通り、今日も誠と帰っている。

昨日よりも時間が遅く暗い為、一人じゃなくて良かったと、悟られないように安心した。


「そいえばさぁ、誠って意外にモテるじゃん?何で誰とも付き合わないの?」

「意外って!じゃあのんも、何で誰とも付き合わないの?」

誠は、心外だ!と言うような顔をした。

「あたしの事は分かるでしょ、叶チャン一筋だからだよ」

遠い目をして叶チャンの姿を思い浮かべるあたしを少し見て、誠も遠い目をした。

「……俺も同じ」


――えッ、誠も?


「誠も叶チャンの事好きだったの!?思わぬライバル出現!?」

「……そこじゃない」

あたしのボケは三流芸人以下だったらしく、誠は呆れた顔をした。